怠惰な睡眠から、唐突に目覚めた。 「――・・・」 己が意図した結果ではない。誰かに呼ばれたわけでも、何か起きたわけでもなかったが――強いて言うなら眠りすぎたことがこの覚醒の理由だ――、とりあえず――いい加減眠ることにも飽きて――気だるい体を起こす。 世界は酷く暗かった。 まるで終焉だ。 耳の痛くなる静寂と、胸が苦しくなる闇の落ちた室内を見て、一瞬でもそう思ってしまった己を揶揄するかのように笑い、冷たいフローリングの床に足を下ろした。 視界の隅に収めた時計の短針は四時を指している。自分の感覚を信じるならば午後四時、だ。 なのになんて暗さだろう。――カーテンを取り払った窓の向こうにはやはり闇。そして、ちらほらと街灯の明りが見て取れる。 「まるで夜だ」 決して終焉などではない。と、半ば自分に言い聞かせるためだけにその言葉を口にした。 同時に、季節柄夜の訪れが早くなっているとは思っていたが、これは早すぎるだろうと苦笑する。 外がいつまでも明るくならなかったせいで、彼女は来なかったのだろうか。 彼女が来なかったせいで折角の休日が台無しだ。――怠惰も不安も全て自分のもとを訪れなかった少女――ひいては世界を埋め尽くした闇――のせいにして笑った。 空を覆う雲が晴れ月が覗けば彼女は来てくれるだろうか、それとも朝が来て昼が過ぎ夕方になるまで、やはり来ることはないのだろうか。 どちらにしろ今#゙女に会えないことに変わりはない。 そう無意味な思考に終止符を打ち、再びカーテンを閉ざすと簡単に身支度を整えた。 彼女が来ないのなら――会うことが出来ないのなら――、少し遠出してみるのもいいだろうと、バイクのキーを手に取る。 そのまま夜が明けず月が出ることもなければ、きっと僕は世界の果てまで走り続けるのだろう。 君が来ない。なら僕がここにいる意味はない。 |